第4章 変化
雪華「イズナ様、これで容態が良くなればいいのですが…」
マダラ「ああ」
イズナ様は疲れから眠られて、今私たちは血で汚れてしまった布団や着物などを洗っている。
マダラ様の屋敷、頭領宅には私が本当は女だということがバレない為にも女中や雑用係は誰一人いない。
代わりに私が家事や世話を側近として仰せつかっている。家賃の様なものだ。
夏の中での洗濯は涼しいようでどこか汗が流れる労働だ。
布団などの大きいモノを洗うのは、やはり一人でやるより二人でやった方が楽だ。
慣れていないと思っていたマダラ様は普通に淡々と作業をこなす。やはりなんでもできるようだ。
ここ最近、戦がほぼなく相手側の千手もこの夏場ではそうやる気にもならないのだろう。
雪華「夏場を凌げば秋が来ますね。秋には山で山菜でも取りましょう。
良いキノコがあるかもしれません」
空には雲一つない。
夏の太陽がまぶしく、さんさんと照り付ける。
マダラ「危険だろう。
山は森が主立っている。千手の手元でそう楽に山菜採りなどできまい」
雪華「なら川魚はどうですか?
秋に旬の魚が泳いでますよ。
それに川の付近でも山菜はあるかもしれません。」
マダラ「ついでに鹿かクマでも仕留めるか。
イズナの快気祝い。
合成に振舞うのも悪くはないだろう」
雪華「それはいいですね。
けれど鹿の捌き方しか知りませんからクマを仕留めた際にはマダラ様もお手伝いください」
マダラ「いいだろう。」
こうして他愛もない話しをヒカクさん以外と出来るようになったのは初めてだった。
それもこれもマダラ様の優しさが私の締め付けてられている心を緩くさせてくれる。
此処にありのままの“うちは雪華”で存在していいのだと思わせてくれる。
まぁありのままのお前でいろと言われたことも確かにあるが…。