第4章 変化
雪華「ではまいります…」
イズナ様の傷口から流れ出る血を利用してそこから私とマダラ様のチャクラを流し込み生命エネルギーをどうにか向上させる。
致命傷を負ったイズナ様の世話をして半年.
交わす言葉は少なくとも近い年頃なのか、時偶に見せる幼い笑顔からなのかはわからないが、友や知人との関係では絶対になかった。
同じ一つ屋根の下で過ごした私の新しい家族、と、思っているのかもしれない。
雪華「・・・」
マダラ「イズナ…」
季節は夏を迎え、部屋には涼しさは感じられず、ただあるのは熱さだけ。
汗がしたり落ち涙とならないように偽るも、空しく涙があふれてきてしまう。
雪華「ぅ、、(ヒカクさん、力を貸して!)」
その時、初めて私の万華鏡写輪眼の能力が発動した。
雪華「!?」
突然の万華鏡写輪眼の発動に驚いたが自然と能力と使い方が頭に流れてきた。
マダラ「どうした」
雪華「…イズナ様、少し傷みますよ」
イズナ様の血が流れる傷口に手をかざし、一度発動をやめた万華鏡写輪眼を再発動させた。
私の瞳は紅く染まり、特殊な万華鏡写輪眼の桜の模様を描く。
雪華「・・・」
触れている傷口にチャクラを当て、瞳術を発動させれば傷口から出ていた血が体内へ戻り、傷口が体内から閉じていく。
マダラ「どういうことだ…」
マダラ様も施す手が止まる。
雪華「瞳術の力です。触れた対象の時を戻す力・・・」
マダラ「万華鏡写輪眼か‥‥」
雪華「はい」
傷跡は残ってしまったが、どうにかして傷口を閉じる事が出来た。
雪華「良かった…」
マダラ「ああ。 しかし丁度いい時に術が開眼したな」
雪華「はい‥‥きっと、ヒカクさんが助けてくれたんです。」
マダラ「ヒカクが?」
雪華「はい。
… チャクラは、繋がりなんだって思いました。
人を傷つけるチャクラも、こうして誰かの傷を癒す事が出来る。
チャクラは力だけど、想いでもあるんだって気づかされました。」