第2章 蕾
ちょうどマダラ様がこちらに来られ、ヒカクさんの状態に顔を伏せた。
ヒカク「・・・マダラ、さま」
ふとヒカクさんがマダラ様を呼び、頭領ご子息であるマダラ様が膝を地について顔をヒカクさんに寄せる。
ヒカク「これ、…は…秘密、です・・・この子は、可愛い、、子です。・・・頼みます」
マダラ「?…」
ヒカク「ふ、ぅ…」
なぜかマダラ様に耳打ちして話したヒカクさんはいたずらっ子みたいな笑顔だった。
雪華「ヒカクさん」
名を呼べば、こちらを向いて優しく微笑んんだ。
その笑顔が遠く、脆く感じる。
ヒカク「・・・つよ、く…生きろ…お、れの・・・目を、誕生日の…祝いに、な・・・」
本当に、この人はなんてひとだろうか。
だれも祝ってくれなかった、私の誕生日を・・・
今度は祝いの言葉を送って貰えた。だから、本当なら感謝の言葉を贈るのだろうけど、今は違う。
雪華「! ダメです、…もらえません!」
うちは一族の写輪眼は酷使すればするほどに光を失う。それを阻止する為には写輪眼の移植が必須となるだろう。
ヒカク「俺の目、で…お前の成長を…みせて、…くれ」
雪華「!」
ずるい、ずるいヒカクさん。
そんなことを言われたら受け取るしかない。
あなたは私の扱いを分かっている。
だって私はヒカクさんにこれからの私を見ていてほしかったんだ。
ヒカク「雪華…最後に、笑顔…」
雪華「、っ、・・・うん、ありがとう・・・ヒカクさん、、ありがとう」
ヒカク「ぁあ…おまえ、は…笑顔、が…かわい…な…――」
雪華「っ、ひ、かく、、さんっ!」
何度揺さぶっても、声を掛けても帰ってくる返事はなかった。
反対側にいたマダラ様に止められて、ヒカクさんの顔を見た。
私の目は、目の前で幸せそうに眠る人を見て赤く染まった。
万華鏡写輪眼を開眼した。