第2章 蕾
その後、無事うちはの勝利で戦は終わった。
今日から数週間は戦のない日々を送れるだろう。
帰路では重傷者や死者を担いで、行きの速度とは違ってゆっくりと帰る。
うちはの集落に着いてまず私はヒカクさんの所へ向かった。チャクラの消耗が今日は激しかったのでゆっくりと向かう。
やっとヒカクさんを見つければ、目の前の状況が理解できないでいた。
雪華「、ヒカクさん、、?」
チャクラ切れが影響した少し薄れた声で、目の前の横たわるヒカクさんに声を掛ける。
見つけたヒカクさんは、目を閉じて掠れた息絶えそうな呼吸が聞こえる。
雪華「う、そ・・・」
崩れるようにその場にしゃがみ、ヒカクさんの頬に手を当てる。感じる体温は冷たい。
自分が男でいなければならないコトなんて、忘れていた。
ヒカク「、…雪華、‥‥っけが、だいじょうぶ、か?」
こんなときまで、こんな私を心配してくれる。世話焼きにも、程があるよヒカクさん。
雪華「うん、大丈夫です、、聞いてください、マダラ様に褒められました、、私が戦で力に、なれたんです、」
あなたに何度相談しただろう。
今思い返せばずっと泣きじゃくる私の背を擦りながら話を聞いてくれた、目を見て改善策を一緒に考えてくれた。
ヒカクさんだけが私を女として扱ってくれたんだ。
雪華「いつもみたく、褒めてください、」
目の前が涙で歪んで見える。
ヒカクさんの頬に触れている私の手の上から、ヒカクさんの手が重ねられる。
その手も冷たい。
ヒカク「よ、く・・・がんばった…な」
そう褒めてくれた声は、いつもより弱弱しい。