第4章 我妻善逸
びっくりして立ち止まってしまった。
一瞬、善逸の傘に入りそびれて、髪の毛が濡れる。
「ほんとに?」
「うん、まあ、フラれたんだけどさ」
ああ…だから泣いてたんだ、善逸。宇髄先生が言ってたのはこのことか。
次は慰めてくれとかかな。
「…こんなこと言うのもあれなんだけど…あの…その…」
もごもごもご…と善逸が急に小さくなって口ごもった。
「ああああ〜〜!!腹立つなぁ!!言え!さっさと!!」
私が善逸の肩を掴んで大きく前後に揺らし、そのはずみで善逸が傘を手から落とした。
「あああああやめてえええ言う!言うよおおお」
「はい!どうぞ!」