第4章 我妻善逸
コーヒーをいれたマグカップを置いて、宇髄先生は真っ直ぐに私を見つめた。
「あいつらがずっと付き合ってるとも限らねぇけどさ、お前も新しい恋、見つけたらいいんじゃねぇの?」
「宇髄先生にしては妥当な意見で腹立つ…」
「そういうとこ我妻と似てんだよな」
私はキッと睨み返した。なぜ、そこで地雷を踏んでくるんだ。
「まぁ…いつかお前の中で解消される日が来ると思うわ、俺は」
宇髄先生は頭をボリボリかきながら、ラフにそう言い放った。
「どうしてもって言うなら、派手に奪ってやれ!」
「派手にって…」
ガハハと笑う宇髄先生につられて、私も笑ってしまった。
「おーし!じゃあそのタオルはもうやるから、気をつけて帰れ!」
「はい!ありがとうございました」
私は宇髄先生にお辞儀をして、美術室を出た。
ーいい先生だったな
美術室のドアを閉めて、前を向くと金髪の髪をもつ人が立っていた。
「善…逸?」