第4章 我妻善逸
「ほい、ココアなら飲めんだろ」
宇髄先生から借りたタオルで鼻水をふき、落ち着いた私の前にココアが置かれる。
「…で?我妻となんかあったのか?」
宇髄先生はコーヒーを1口すすった。
「…なにもないです」
「じゃあなんで我妻と関係ないなんて言うんだよ」
「彼女がいるからです。私には見せたことのない顔ばっかり…」
私はスカートを握りしめた。
「私…気づいたら好きだったんです、善逸のこと。どうせ叶わないからと思ってずっと諦めようと思ってたんですけど…」
「それでもまだ諦められなくて、苦しいっつーことか」
こくん、と頷き、ココアを1口飲んだ。
あったかいココアが体に染みる。
「ん〜…すぐ諦められるもんでもねぇし、どうせ我妻のことだから、お構い無しにお前のところに来るんだろうなぁ」