第4章 我妻善逸
私は宇髄先生の方から背を向けた。
分かってたことだけど、口に出していうと哀しくなる。
「あっそぉ…あ〜…え、なになになに、泣くな泣くな!」
ほら、また涙が出てきた。
唇を噛み締めても涙が止まらなくて、ただ手を目の蓋にすることしか出来ない。
宇髄先生が屈んで、私の背中に手を置き顔を覗いてくる。
「このままじゃ、俺が泣かせたみたいになるぞおい…」
宇髄先生は辺りを見渡して、誰もいないことを確認した。
「とりあえずお前、こっちこい」
宇髄先生が私の手首を掴んで、美術室へと引っ張って行った。
「うっ、う…うぅ〜…」
「話聞いてやるから」
美術室について、扉がしめられた。
「え…?宇髄先生と、沙織…?」
その光景を善逸が見ているとも知らずに。