第4章 我妻善逸
「えっ…いや、さすがに引くんだけど…」
「俺…沙織にぎらわれだらじぬがらなあああああ」
善逸がまた泣き始めて、私の腕にすがりつく。
「なんでだよ!あんた、彼女いるじゃん!」
「いるげどざああああああ沙織も必要なんだよおおおおお」
「はあ?!意味わかんない!」
そのあともギャアギャア言い合っていると、いつも8:20になったら犬の散歩をしに来るおじいさんが横を通り過ぎた。
「もう!あんたの世話してたら遅刻しちゃうじゃん! 」
「ええええうそおおおおおれのせいなの?!ねえ!!!」
「いいから走る!!」
結局、善逸には勝てず、私は善逸の手を掴んで走り出した。
私と善逸は冨岡先生が校門をしめるギリギリで滑り込み、なんとか遅刻を免れた。
「はあ…はあ…つかれ…た…」
「危なかったねえ!」
「てめぇのせいだよ!」
私は善逸の頭をグーで思いっきり殴ると、善逸は痛い!!と叫び、また喚き出した。
「あ、ぜんいつくぅーん」