第4章 我妻善逸
ーー放課後
「む、むー!」
「あ!ごめんごめん!禰豆子ちゃん!帰ろう!」
今日は禰豆子ちゃんと一緒に巷で有名なマカロン屋さんに行くのだ。
禰豆子ちゃんは相変わらず、口にフランスパンを詰め込んでいる。
「む、むー」
「ああ、お腹減ったよね〜、私もお腹減った〜」
禰豆子ちゃんと一緒にいるとすごく心が楽になる。
ー禰豆子isオアシス…
私は心の中で合掌した。
何となく気配を感じてふと視線を右へとずらす。
すると、奥の中庭で善逸が彼女とキスをしていた。
優しく頬を包み込んで、そっと口付けると、ふわりと笑う。
彼女も照れるように笑ってみせて、善逸の手を握った。
ーあんな顔…知らなかった…
私はそこから目が離せなくなり、動けなくなった。