第4章 我妻善逸
「綾川、そこに我妻がいるんだろう。悪くは言わん、退け」
冨岡先生が私に向かって竹刀を向けた。
やばい、このままだと私も叩かれる。
「せっ、先生!私、こいつの幼なじみしてますけど、雷に打たれてからこの髪色なんですよ、だから、ほんとに地毛なんです」
「沙織!」
善逸は嬉しそうに顔を輝かせた。
まだ鼻水はみょ〜〜んとなっている。
「…ふん、その話は信じないが、今日は綾川に免じて見逃してやる」
冨岡先生は竹刀をおろすと、職員室へと戻った。
私は大きくため息をつき、ほっと胸を撫で下ろした。
ーは〜…怖かった…
「ああああありがとおおお沙織〜〜!」