第4章 我妻善逸
「いやあああああああああだずげでええええええ」
「待て!我妻!」
ーうわ〜…また飽きずにやってるよ…
竹刀を片手に持った冨岡先生が善逸を追いかけ回すのは恒例の光景になっていた。
善逸は足は速いからあの体力オバケの冨岡先生といい勝負をしている。
「だからこれ地毛なんだよおおおおおおお」
「そんなのは知らん!」
ーあんなにしゃべる冨岡先生初めて見たなぁ
そんなことを思っていたら、善逸が私には向かって走ってきて、背中に隠れた。
「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ、俺、殺されちゃうよぉぉ〜〜〜」
「うわっ、背中で泣かないで!鼻水つく!」
言った時にはすでに遅くて、私の制服の背中の部分に善逸が鼻水をつけていて、みょ〜〜んと善逸と私の背中がくっついていた。