第1章 美術教師 宇髄天元
あの出来事がフラッシュバックして思わず笑顔が固まる。
「…あぁ〜、もうお腹ぺこぺこですねぇ〜」
ーもしかして今、話題変えてくれたのかな?
しのぶ先輩はお腹をくるくるとさすって、私の腕に腕を絡めてきた。
「どっか、甘いもの食べに行きません?」
ーぐっ、かわいい…
上目遣いで首を傾けられたらそりゃもう…
「ひゃ、ひゃい…」
行くしかないよね…
「わぁ〜!嬉しいです〜、ここ、来てみたかったんですよねぇ〜」
最近出来たオシャレなカフェにたまたまスっと入れてしのぶ先輩はご満悦だった。
可愛らしいパステル調の店内にドライフラワーが吊り下げられていたりして、若い子が行きたがるのもわかる。
「じゃあこれと…これと…沙織さんは何にしますか?」
「あっ、私はこれで!」