第21章 ○○○ーを覗かれて…②
すると目の前に煉獄先生が仁王立ちで佇んでいた。
突然、視界いっぱいに恋人が映り、私は顔を赤らめる。
「落し物をしていたぞ」
煉獄先生はニコリと微笑んで、私にピンク色のハンカチを渡す。
「は、はひっ!ありがとうございましゅっ」
ーか、噛んだ!
まさか話しかけると思っていなかった私は、思いっきり舌を噛んでしまう。
フッ、と煉獄先生が笑う声が聞こえたあと、私の耳元にある言葉が飛び込んできた。
「中身を見てくれ」
「えっ?」
小さな声で言われて私は理解が追いつかない。
「ではな!」
煉獄先生は私の肩を2回叩いて、教室を出て行った。
なんだか置いてけぼりにされた気分の私はハンカチを見つめた。
ーそういえば、私、ハンカチなんて落としてない…
私は煉獄先生に囁かれた事を思い出して、ハンカチを開けてみる。
そこには銀色の家の鍵と、紙切れが入っていた。
紙切れを開くと、地図と思わしき絵と煉獄先生からのメッセージがそえられていた。
『今日の放課後、ここで待っておいてくれ』
全身の血が沸騰するように体が熱くなった。
ーこ、これ…鍵…と家までの地図だよね…行ってもいいってことだよね…