第20章 冨岡義勇
「では、始めていきますので、こちらにうつ伏せになってください」
「…はい」
私は茶色の大きなタオルが敷かれた上に言われた通りにうつ伏せになった。
ーなんだか始めることになっちゃったんだけど、よかったのかな…
「ひゃっ!」
突然、背中に冷たいぬるぬるしたものが塗りたくられる。
「はじめは冷たいかもしれませんが、徐々に暖かくなるのでご心配なく」
「は、はい…」
冨岡さんの手が背中を指圧していく。
ぐぐっと強めにツボのような所を押されたり、全身のコリを流すように手が動いたりすると、結構気持ちがいい。
「あの、冨岡さん、敬語はいいので…普通に喋りませんか?」
「…了解した」
すると冨岡さんの手が足にうつり、ふくらはぎを揉み出す。