第20章 冨岡義勇
ー嘘でしょ…
私は青ざめながらこくんと頷いた。
まさか義勇のユウをとって名乗っているだなんて気付きもしなかった。
「と、とりあえず入りますか…?」
「あぁ、失礼する」
ー何となく入れちゃったけど…どうしよう
私はどうしようと途方に暮れていた。
断るのが1番だけど、このマッサージを楽しみにしていたし、何もしないまま出ていけばラブホテル代が無駄になってしまう。
「確か初回でしたよね」
「は、はへっ?!」
ん?と固い営業スマイルを無理やり貼り付けたような顔をした冨岡さんはペンとボードを手にとってカウンセリングに入ろうとしていた。
「では20パーセントオフにさせて頂きます」
「分かりました…」
「本日のコースの確認なのですが…」