第20章 冨岡義勇
「あ"〜〜〜ただいまぁ〜〜」
だれもいないマンションのワンルーム。
明かりをつけて靴を脱ぎ、ベッドに倒れ込んだ。
ケータイを起動させてみても、通知はネットニュースしかなかった。
ーあ〜ぁ…独り身かぁ…
何となくまだ失恋から立ち直れていない自分がいた。
上手くいっていると思っていた分、セックスのことで振られるだなんて思ってもみなかった。
何だか目頭が熱くなり、ぽろりと涙が頬を伝った。
私は腕で強引に涙を拭き取り、ネットニュースを立ちあげる。
どうでもいい役者の不倫や、政治のことについてぼーっと眺める。
するとある広告が目に付いた。
「女性向け、性感マッサージ…?」
私は広告欄をタップして、そのサイトに飛ぶ。
どうやら性感マッサージとは、普通のマッサージに、プラスとして性感帯への愛撫を行うというものだった。