第19章 数学教師 不死川実弥②
「待って待って!拾ったら爆発する!」
咄嗟に出た嘘がこのクオリティだ。
自分でも泣きそうだ。
「あァ?爆発しねェだろうがァ」
ひょいと実弥は私のスマホを拾って、スマホの画面を見た。
ーあ…終わった…
画面を見るなり、実弥はピタリと動きをとめて、背中から黒いオーラを醸し出す。
顔は見えていないがきっと青筋が立っているのは間違いない。
「あ、あの…それは、そのぉ…」
「てめェ…俺のセックスでは満足出来てないってかァ?!」
「ひぃぃ!!」
実弥は私がもたれていたソファに手をつき、目をひんむいてスマホの画面を見せつつ私を睨む。
「この漫画のタイトルを読めェ」
「たっ、タイトル?」
「いいから読めェ!」