第19章 数学教師 不死川実弥②
それは痴漢モノだ。
現実世界では犯罪とされているし、自分もいざされるのは嫌だと思うが、エロ漫画で見るには十分興奮させられた。
声の出せない密閉空間の満員電車で無理やりされてしまう…そんな非日常なシチュエーションに萌えてしまう。
スクロールして読んでいく指が止まらない。
ー電車の中でイカされたりだなんて…
どんどん気分は変な方向へ逸れていく。
後ろにいる影にも気付かないで__…
「おい、何読んでんだァ」
「ぎゃああっ?!」
身体が驚きで跳ね上がり、手からスマホがロケットのように飛び出した。
床の上でくるくるとスマホが少し遠いところで回っている。
実弥はそれを拾い上げようと身を屈めた。
ー待って、画面見られたら死ぬ…!!
いまのスマホの画面は痴漢モノの1番美味しいところだ。
こんなのを読んでいるとバレたら幻滅されてしまう。