第1章 美術教師 宇髄天元
「宇髄先生の、なんだ?」
ーご、誤魔化さないと!!
「ううう宇髄先生に似てる猫!!」
「猫?」
私の頭の中で猫が鳴いた。
咄嗟につく嘘が下手すぎる。
冷や汗がじんわりとにじむ。
「そうか!すごいキレイな猫なんだな!」
炭治郎はにっこり笑った。
ーよかった…誤魔化せたかな
「でもなんか…他にもなんかあるっていう感じの匂いがするんだが?」
炭治郎が器用に鼻を動かす。
ここでバレたら終わりだ。
「他?なんもないよ!あれかな、さっき香水かけたからかな?」
私は立ち上がって自分の席にかけた荷物を持った。
「じゃあね炭治郎!禰豆子ちゃんによろしく!」