第1章 美術教師 宇髄天元
「はぁ…はぁ…はぁ…」
結局猛ダッシュで向かっていたのは教室だった。
もうすでに放課後だからみんなは部活行ったり、教室で残っている課題をしたりなど過ごし方は様々だ。
ドアを開けると、そこには炭治郎がいた。
「あっ、沙織!」
炭治郎はどうやら妹の禰豆子ちゃん待ちで残っていたらしい。
私は肩で息をしていて、まともに炭治郎の呼び掛けに答えられなかった。
「どうしたんだ?なんか…こう…焦ってる匂いがする」
恐ろしいほどに嗅覚のいい炭治郎は私の気持ちをズバリあてた。
私は大きく深呼吸をすると、炭治郎の横に座った。
「実はね……見ちゃったの」
炭治郎は首を傾げた。
「宇髄先生が…」
私はそこでハッと口をつぐんだ。
ー言ったら…やばい、よね
宇髄先生もやばくなるし、私だって回り回って噂になって学校中に広まったら、宇髄先生に何をされるか分からない。