第16章 倫理教師 悲鳴嶼行冥
「どうした、すまない、痛かったのか」
悲鳴嶼先生は私の上半身を持ち上げて、背中をさすってくれた。
「違うんです…びっくりしちゃって…」
「そうだったのか…」
私は抱き寄せられて、悲鳴嶼先生の胸板に収められてしまうと、じんわりと体温が伝わってきて、涙はすぐに引っ込んだ。
ー先生の心臓の音もすごい…
固い筋肉の下にある心臓の音が重々しく鼓動を鳴らしていた。
悲鳴嶼先生だって緊張しているのかもしれない。
私だけが1人歩きしてしまってはいないのかもしれない…
下に目線をやると、ズボンからでも分かるくらいに膨らんだ悲鳴嶼先生のソレが視界に入ってきた。
「あの…先生、これ…」
「あぁ…見たくなければ目をそらしてくれて構わない」
ーそんなの言われたら余計見ちゃう…