第16章 倫理教師 悲鳴嶼行冥
悲鳴嶼先生は軽々と犬でも抱き上げるかのように私を横抱きにすると廊下を進んで行く。
ある部屋のところで止まり、ドアノブをひねると、大きなベッドと蕩けたオレンジ色のランプがあった。
「まさか君が本当に来るとは思わなかったが…良いということだな?」
私は悲鳴嶼先生にベッドの上に下ろされると、肩を押されて、ベッドに倒れ込む。
「良いから来ました、嫌なら来ません…」
目の前に悲鳴嶼先生の顔しかない。
そんな状況に胸が高鳴らない訳がなくて、鼓動がうるさすぎるくらいに音を主張してくる。
「そうか」
悲鳴嶼先生は眉尻を下げて笑うと、キスをしてきた。
「ん…」
優しく舌を絡め合うと恥ずかしさが消えた訳ではないけど、さっきの鼓動が少しマシになった気がした。
唇が離れて、お互い、少し乱れた呼吸を整える。
「脱がすぞ」
「はい…」