第16章 倫理教師 悲鳴嶼行冥
ーあの悲鳴嶼先生がお尻ペンペン…?!
悪いことをしたらお説教で諭してくれそうだと思ってたのに…
あんまり人が怒られているところは見るものではないと知りながら、私はその光景に釘付けになっていた。
悲鳴嶼先生の大きな手のひらが我妻先輩のお尻を叩き、乾いた音が鳴る度に私の中で何かが昂っていく。
「これで反省したか?」
悲鳴嶼先生の声がして、私はハッとする。
ーやばい!我妻先輩戻ってくる!
私は弾かれるようにして図書室に向かって走っていった。
しばらく走って息も切れてきたころ、ようやく図書室に着いていた。
肩で大きく息をして呼吸を整えて、ドアノブを捻る。
ふわりと本の匂いがしてきて、私は胸がいっぱいになった。