第15章 体育教師 冨岡義勇 錆兎
「ピアスは没収だ、貸せ」
錆兎先生は大きな手のひらを私に差し出し、ピアスを出すように言う。
「え〜〜、やだって言ったら?」
「反省文100枚だ」
「ちぇっ…どーぞ」
どうせ300円の安物だ、まだ家には腐るほどある。
私は錆兎先生にピアスを渡して大人しく没収されることにした。
すると冨岡先生は私に無言で10枚に束ねられた反省文を見せてきた。
「どちらにせよ校則違反だ。反省文は書いてもらう」
「は〜い…せんせ、シャーペン貸して」
冨岡先生は反省文用紙の上にシャーペンを置いて机の上に置く。
「書けたら持ってこいよ」
錆兎先生がそう言うと2人は生徒指導室を出る。
2人の足音が遠のき始めたころ、私は大きく息を吸った。
「あああああああ!!!腹立つ!!あんの堅物二大柱があああああ!!!」
私は頭を抱えて大きな声を出し、苛立ちを発散させた。
ー大体、何で可愛くなったらダメなの?!