第2章 歴史教師 煉獄杏寿郎
「か、カナヲ!」
私はめいっぱいの大声で炭治郎の恋人の名前を叫んだ。
炭治郎は顔を赤くすると、手を組んでいる力がゆるんだ。
「今だ、沙織!」
伊之助が叫ぶ。
私は腕を下からくぐらせて炭治郎の帽子を掴んで、取り上げた。
一瞬の静寂が流れる。
「うむ!勝負はついたな!!」
この煉獄先生の一言で周りが大歓声をあげた。
「やったー!!やったよ!!伊之助!!」
「おお!さすがだな!!」
伊之助が私を乗せたまま嬉しそうに跳ねたりするから私は振り落とされそうだった。
「カナヲの名前を出すのは卑怯だ!」
むん!と不服の顔をする炭治郎。
「あはは、これも作戦のうちだよ!」