第14章 【炎柱】煉獄杏寿郎
朝日が障子から差し込む。
私は眠い目を擦りながら起き上がり、寝間着から隊服へと着替えて羽織りを着た。
昨日の夜に、おばあちゃんに明日はすぐに行くのでおにぎりにしてくれと頼んでいたので、部屋のすみっこにはおにぎりがちょこんと置かれていた。
いつの間に…と驚きつつ、私はおにぎりを3個平らげた。
鏡台に向かって、口に紅を引き、杏寿郎からもらった簪を刺して刀を持つ。
今日も私は鬼を狩る。
鬼殺隊の柱として、鬼に大切なものを奪われて嘆く者のために。
廊下を歩いていると、畑から野菜を収穫していた子供が挨拶をしてくれた。
「もう行ってしまわれるのですか?」
あどけない表情と鈴のような可愛らしい声。
私は子供と同じ視線にしゃがみこみ、にこりと微笑んだ。
「えぇ、お風呂ありがとう。とても気持ちよかったわ」
「はい!いつでも沸かします!」
子供は弾けた笑顔を見せ、私を送り出してくれた。