第14章 【炎柱】煉獄杏寿郎
木こりと共に山を下り、別れを告げた後、私は藤の家に向かっていた。
ー杏寿郎…
羽織りの裾を握りしめ、私は杏寿郎の顔を思い出す。
私たちは鬼殺隊最強の柱の一員である。
杏寿郎は炎の呼吸の使い手の炎柱。
私は色の呼吸の使い手の色柱。
他にも柱はいて、皆それぞれの呼吸の使い手だ。
そして私と杏寿郎は恋仲だ。
それなりに恋人としての逢瀬も繰り返し、誕生日には贈り物を送りあったり、鎹烏(かすがいがらす)を通じて文を交換し合ったりしている。
でも、ここ最近は鬼の数が増えていて、なかなか会えない日々を送っていた。
ー一緒に藤の家行けるかと思ってたのにな…
そうこう考えを巡らしている内に、藤の家についた。