第12章 嘴平伊之助
思わず間の抜けた返事が出る。
伊之助の顔は真っ赤っかになっているし、状況が掴めなかった。
「さっきも太ももにソフトクリーム落としてるし、今だって見えてんだよ胸が!」
伊之助に言われて確認してみると、確かに、少し谷間が見えていた。
「やだっ…ごめん」
襟元を正そうとしても、伊之助が手首を離してくれないせいで正せない。
すると、伊之助が私を押し倒してきた。
「こうなったのは派手神のせいでもあり、お前のせいでもある。責任取れよ」
今までに感じたことのない伊之助の雰囲気。
伊之助はただの野生児で、こんなことに興味なんてないと思ってたのに…
そんな伊之助に私は組み敷かれている。
余裕などないといった顔つきに、荒い息。
こんなものは経験がなくても分かった。
ーあぁ…今からするんだ…
私は少し身体をあげて、伊之助の体に腕を回す。
「…伊之助になら…責任取るよ」
「言ったからな?覚悟しろよ」
私は再び、押し倒されると、唇に荒々しい求めるようなキスを落とされ、心も体も宙に浮いてしまいそうだった。
「…だからお前はエロすぎんだよ…」
どうして急に伊之助がそんなことを言い出すのか良く分からなかった。