第12章 嘴平伊之助
私たちは1時間くらいに電車に揺られて、温泉街にたどり着いた。
温泉街はとても風情がある街並みで、古い古民家や雑貨店、和菓子のお店などが立ち並んでいた。
所々から温泉のけむりがのぼっており、外は死ぬほど暑かったが、温泉に入りたくなる。
「暑い…あそこでかき氷食おうぜ…」
暑さで今にも溶けそうだった私たちは、ソフトクリームとかき氷の看板を見つけた。
「いいね…私、ソフトクリームにする…」
お店のおばあちゃんにかき氷とソフトクリームを1つずつ頼むと近くのベンチに腰を下ろした。
「それにしても暑いね!早くお宿に行って、涼みたいな〜」
「この暑さじゃ食う気にもならねぇな…」
伊之助は私が思ってる以上にバテているみたいで、もうヘトヘトといった印象だった。
「はい、かき氷とソフトクリーム」
おばあちゃんが私たちにかき氷とソフトクリームを渡してくれる。
私たちはお礼を言うと、1口、それらを頬張った。
ソフトクリームを注文した私は、ソフトクリームを食べるとほんのり広がる甘みと冷たさが丁度よかった。