第1章 美術教師 宇髄天元
私はこの世で見てはいけないものがあると思う。
たぶん、ベターにトイレしてる時とか異性が着替えしてる時とか、殺人現場とか?
ちょっとファンタジーチックに言うなら鶴の機織りとか
でも、私はもう1つあると思う。
「あ」
「あ」
「あん♡」
他人の情事だ。
一瞬なにが起こったか全く分からなかった。
目の前には確実に半裸の女子生徒と、ズボンをくつろがせた美術教師、宇髄天元がいた。
女子生徒は宇髄先生に跨るようにして、上に座っている。
ーえ?入って、る…よね?
「おい、なんだ」
宇髄先生の一声で、私は弾かれたように遠のきかけていた意識を取り戻した。
「ししししししし失礼しましたっっっ!!!」
すごい勢いで美術室の扉をしめて、私はどこかへと走り出した。