第11章 伊黒小芭内
『めっちゃ緊張してるんでしょ?だーいじょうぶだって!伊黒さんならちゃんとしてくれるよ!』
「緊張しすぎてどうにかなりそうなの!助けて!」
『私も初めてのときはそりゃ緊張してたけど、始まってみると意外と大丈夫になるもんだからさ、そう気負わなくてい、い…はぁ?!天元なに?…え?ヤる?さっきまでしてたじゃん!もうしないから!あっ♡触んないで!ちょ…!』
ガサガサガサガサという擦れる音が電話から聞こえてくる。
『綾川、あいつも男だからな、なんも心配しなくていいぞ〜、じゃあな』
ブチッ!ツー、ツー、ツー…
「切れた…」
最後の声は宇髄さんだ。
たしかに、伊黒さんも男だし、大丈夫だよね…
ケータイを握りしめていると、後ろから優しく抱きしめられた。
「伊黒さ…」
「待たせたな」