第11章 伊黒小芭内
伊黒さんからもらったパジャマは私が思っているようなものではなかった。
ジェラ〇ケとかサテン生地のイマドキのパジャマかと思っていたら、昔の貴族が寝ている時に着ていそうな真っ白のネグリジェだった。
胸元にはフリルがあしらわれており、袖もふんわりとしぼんでいて、可愛らしいデザインだ。
「似合ってますかね…?」
こんなものを着たのは初めてだったから、似合っているのか分からない。
伊黒さんは立ち上がって、肩を掴むと、目力を最大にして私を見つめた。
「やはり俺の目に狂いはない。最高だ。天使だ。似合っている。この服の概念を作ってくれた人に俺は死んだら土産を持っていかねばならん。君は今この可愛さで難民を500万人は救える」
「恥ずかしいですよ」
伊黒さんは興奮するとめちゃくちゃしゃべる。
とりあえず似合っていたんだと思うと、テンションが上がってきた。