第11章 伊黒小芭内
俺は決して童貞…ではないが、なんせ致すのは久しぶりすぎてやり方に不安を感じ、何度も調べたし、シーツも洗って、避妊具も買ったし…
きっと準備は大丈夫。
あの宇髄でもアホみたいに黄色頭の女としてるんだから俺がヘマをする訳が無い。
しかし、自分は思ったより緊張しているらしく、コーヒーを飲んでも味が分からないし、何度もチビチビと飲んでいた。
「あの…伊黒さん、パジャマ着てみました」
控えめに俺を呼ぶ声がして後ろを振り向くと、そこには俺が選んだ沙織がいた。
髪はドライヤーの場所を教えるのを忘れていたために濡れていて、少し赤くなった頬が色っぽい。
「天使…か?」(すまない、ドライヤーの場所を教えていなかった)
思っていることと言うべきこととを逆に言うことが俺にも起こるだなんて。