第11章 伊黒小芭内
ー沙織は喜んでくれるだろうか
パタン、とお風呂の扉が閉められる音がして、その後にシャワーの音がした。
一先ず…安心だな
俺はソファにどっかりと腰を沈めると、少しだらけて座った。
こんな無機質な部屋に連れてこられて幻滅しないだろうかとずっと不安だったが、沙織はくつろいでくれているようだった。
マグカップも喜んでくれていたし、一緒に映画も見れて俺はなんて幸せなのだろう…
スマホの画面に通知がうつり、見てみると、そこには宇髄からのLINEが表示されていた。
『ド派手に決めてこい!』
俺は背中から黒いオーラを出しているのが自分でも分かった。
本当にこの男は…!!
公務員のくせに、節操がない。
でも、今日は沙織との初夜をすると決めたのだ。