第11章 伊黒小芭内
「荷物は俺の寝室に置いておくが…問題ないな?」
「は、はひっ!問題ないです!」
ー盛大に噛んじゃった!
「ふふっ、まあ、コーヒーでも飲んで落ち着くといい」
キッチンに向かった伊黒さんはコーヒーメーカーを取り出して、手際よくコーヒーをいれていく。
ふわりとコーヒーのいい香りが立ちこめてくる。
「ホットかアイスかなにも聞かなかったな、ホットでいいか?」
「はい!大丈夫です」
「そうか」
すると伊黒さんは2つのカップを取り出し、片方に砂糖と牛乳を注いで、そこにコーヒーをつぐ。
「君はブラックは飲めないんだろう?ほら」
可愛らしいパステルピンクのマグカップを渡されて、私は驚いた。
伊黒さんがこんな可愛いものを使うのか…と思っていると、伊黒さんが持ち上げたマグカップを見て、全てを理解した。
「これ…ペアのマグカップですよね?」