第11章 伊黒小芭内
「お前も伊黒いるし大丈夫だよな?借りてくわ、善子」
颯爽と宇髄さんは善子を担いだままカフェを出て行った。
知らない間に善子の分のお金はテーブルの上に置かれていた。
「全く…騒がしい奴らだな。節操というものが大体…」
伊黒さんは気に入らないことがあるとすぐにネチネチネチネチしちゃうのがクセで、こうなるとなかなか戻って来れない。
「あの…ここのコーヒーゼリー美味しいんですよ!伊黒さんも食べませんか?」
一瞬の沈黙があった後、伊黒さんは素早く向かいの席に座り、メニュー表を持って、ベルを鳴らした。
その様子を呆然と見ている私に伊黒さんはきょとんとした顔をして見せた。
「どうした、座らないのか?」
コーヒーゼリーで釣られちゃう伊黒さん…可愛いなぁ
「いえ!座りますよ!」