第10章 我妻善逸 ②
「は…?」
我妻くんに腰を引き寄せられ、優しく頬をつつまれた。
「君のことがずっと…ずっと好きなんだよ」
ー我妻くんが、私のことを好き?
「だからあんなことしてたの?」
「うん♡とってもいい匂いだったなぁ…でも今は」
我妻くんが私の首筋に顔をうずめて、大きく息を吸った。
鼻息が首筋にかかってこそばゆい。
「もっと近くで君を感じれるんだ…」
「っあ…!やめて、我妻くん!」
私は首筋にヌメりとした感触を感じて、咄嗟に我妻くんの胸板を押し返そうとした。
でも、我妻くんはビクともしない。
むしろ、押し返そうとしていた手首を取られて、抵抗しにくくなってしまった。