第10章 我妻善逸 ②
「あ、来たきた〜、ごめんなさいね〜」
キメツ学園きっての美人教師である胡蝶カナエ先生はもう早速実験の手はずを整え始めていた。
蝶モチーフの髪留めにまとめられた髪は滑らかに輝き、心做しかいい匂いがする。
真っ白の肌に落とされた花びらのような淡いピンク色の唇も美人度を爆上げしている。
「いえいえ!大丈夫です!係なので!」
「終わったら特別にお菓子あげちゃうから、頑張ろうね〜」
こんなお茶目なところも可愛らしくて、生徒はみんな胡蝶先生のことが大好きだ。
私は奥の準備室から丸底フラスコとガラス棒を持ってきて、胡蝶先生の指示されたところに並べていく。