第1章 美術教師 宇髄天元
「ケジメ?いや、ケンカですよねあれ…」
私はパレットを拾って、立ち上がる。
すると、宇髄先生の顎の辺りにかすり傷があった。
「あ!先生、ケガしてます」
ケガはそんなに深くないし、大きくもなかったけどなんだかすごく不安になった。
宇髄先生の顎を撫でたりして他にも傷がないか見回る。
「…っおい、俺はネコじゃねーぞ」
宇髄先生が手首を掴んだ。
「ご!ごめんなさい…なんだか不安になっちゃって」
私は先生と昼間にしたあのキスのことを思い出して、思わず目を逸らした。
「じゃあ、約束してたやつ、やろうな」
トクン……
胸が期待に高鳴る。