第9章 宇髄天元➕煉獄杏寿朗
ー放課後
私は資料室の前にいた。
ー昨日見たことはすっかり忘れるのよ沙織
そう自分に言い聞かせて扉を開ける。
「お、来た来た」
「少し遅かったな」
資料室は今までに見たことがないくらいすっきり整理整頓されていて、真ん中に大きめのテーブルとパイプイスが2つあった。
そしてその2つしかないパイプ椅子に座っていたのは…
「煉獄先生…と、宇髄先生?」
なぜか宇髄先生もそこにいたのだ。
「すまんな、綾川。資料を探してくれというのは嘘だったんだ」
煉獄先生は申し訳なさそうに眉尻をさげて私のほうを見た。
「え…?嘘だったとしたら一体…」
宇髄先生が口から棒付きキャンディを出して、私に突きつけてきた。
「心当たりがあんじゃねぇの?」