第9章 宇髄天元➕煉獄杏寿朗
「ありがとうございましたー」
どうにかこうにか歴史の授業は終わり、私はお弁当を食べようと思って、弁当箱片手に立ち上がった。
「歴史委員は君か?」
ずいっと煉獄先生の顔が鼻先一寸の距離まで縮まる。
私はそうです、と答える。
「ならば、放課後に資料室へ来てくれないか、明日に必要な資料を探すのを手伝って欲しいんだ」
「分かり、ました」
「ありがとう!!」
煉獄先生はそれだけを伝えると教室から出て行く。
入れ違いに入ってきた善逸は煉獄先生を睨みながら、私の方へと歩いてきた。
「なに?煉獄先生、パーソナルスペースおかしくない?」
「やっぱりそうだよね!」
「変なことされそうになったら逃げるんだよ!」
「されないって」
「分かんないよ!!あと宇髄の野郎も気をつけて!」
ー善逸は先生が絡むとめんどくさいなぁ…
はいはい、と私は生返事をしたが、そのことを私は後々後悔することとなる。