第9章 宇髄天元➕煉獄杏寿朗
私は白の絵の具を出して、うれんと書いたところを白色で塗りつぶす。
「おーおー、てめぇらちゃんとしてるか?」
宇髄先生は片手に大きなダンボールを抱えて教室に戻ってきた。
私の心臓が鼓動が速くなる。
「綾川はお前…なに描いてんの?それ」
私の顔のすぐ横から宇髄先生の端正な顔立ちが現れる。
私はすぐに距離をとり、顔を背けた。
「わ、わかりません!」
「よし、じゃあ派手にバラでも描いとけ!」
次は嘴平ぁ〜と声を間延びした声を出して、宇髄先生は踵を返した。
ーなんとか耐えた…
カタン、とパレットを机に置こうとした瞬間、バランスを崩し、パレットの上にあった絵の具を全て手のひらにつけてしまった。