第1章 美術教師 宇髄天元
ー放課後ー
「…沙織!」
「むー!」
私は目を開けた。
窓の方を見るとすっかり夕暮れで辺りはオレンジ色になっている。
「あれ…いつから…?それに、カナヲと…禰豆子ちゃん?」
「放送でずっと…あの…宇髄先生が呼んでる」
禰豆子ちゃんもうんうんと深くうなずく。
『え〜、綾川、今すぐ美術室来い。来なかったらシバく』
スピーカーから宇髄先生の声が流れる。
私と禰豆子ちゃんとカナヲの間に沈黙が流れる。
「こ、これ?」
「む!」
「5分置きに流れてて…もう起こした方がいいかってなったの」
むしろなんで今まで放置してたんだろうか…
私は眠い目を擦って、すぐに帰れるようにカバンを持った。
「起こしてくれてありがと!行ってくるね」
カナヲは控えめに手を振って見送ってくれた。禰豆子ちゃんも腕がもげるんじゃないかって思うくらいに振ってた。