第8章 「The hole」宇髄天元
私は父の手首を持って抵抗するが、激昂した父を私が止められる訳もなく、力はどんどん強まっていく。
私は、父に自分で買ったゲーム機を売られた時も、大切にしていた人形を勝手に燃やすゴミに入れられて捨てられた時だって、悲しかったけどすぐに諦めていた。
ああ、これもダメだったか。
だけど、私の首元で光る宇髄先生との証を私は簡単に諦めたくはなかった。
私を私だと認めてくれた宇髄先生。
だんだん息が出来なくなってきた。
手にも力が入らなくなってきて、ずるずると落ちていく。
「お前なんて、生まれてこなかったらよかったのに!!!」