第8章 「The hole」宇髄天元
「おら!!手離せよ!!」
父の蹴りがみぞおちに入り、私は押しあがってきた吐瀉物を吐き出す。
「クソ女が…親父が寄越せって言ってんだよ!」
バシン!とかなり強めに頬を引っぱたかれて、私は身体をぶっ飛ばしかけて、咄嗟に手をついた。
ジンジンと焼けるような痛みを覚えながらも、宇髄先生からもらったネックレスだけは握りしめていた。
「いや!!これは私の大切なものなの、お父さんにあげない!!」
父は顔を引きつらせると、眉毛を吊り上げて顔を赤くした。
あまりもの怒りに父はプルプルと小刻みに震えていた。
「本当になにも分かってないんだな…お前は!!」
父は私の肩を荒々しく突き倒し、私は床に倒れ込んでその上に父が跨る。
手が私の首元に伸びてきて、ぐっと力が込められた。