第8章 「The hole」宇髄天元
私は宇髄先生と体を重ね終わり、出してくれたココアを飲みながら一息ついていた。
「はい、どうぞ」
なんの前触れもなく、宇髄先生は手のひらにすっぽり収まるサイズの小さい箱を渡してきた。
私は小首を傾げながらその箱を開けてみると、指輪にネックレスのチェーンがついたものが入っていた。
「これって…」
宇髄先生は優しい微笑みを浮かべて、箱からネックレスを取り出すと、私の首に付けてくれた。
「お前、今日誕生日だろ?プレゼントだよ」
私の首元でキラリと控えめに光る指輪をぎゅっと握りしめた。
そうだ、誕生日だったんだ今日。
「ありがとうございます…私、父に誕生日祝われたことなんて10年くらいなくて…嬉しくて…」
「俺はド派手にお前の誕生日を把握してたからな!神だから!」