第7章 数学教師 不死川実弥
「よっしゃ!終わった!」
あれから15分経ったけど、まだ不死川先生は戻ってこない。
「先生〜?何してるんですか?」
廊下を真っ直ぐに進み、扉を開けると、更に甘い匂いが鼻腔を掠めた。
どこか懐かしさを感じるような匂いに私は鼻をピクピクと動かす。
「こら、てめェ…こっち来んなって言ったよなァ…」
エプロン姿の不死川先生が私の頭を握りつぶそうとするくらいの勢いで鷲掴みにしてきた。
「いたたたた!!ご、ごめんなさい〜!気になっちゃったんですぅ〜〜!」
ーおはぎ?
視界の隅におはぎが映る。
「先生…おはぎ好きなんですか?」
先生は私の頭から手を離して視線を逸らした。
「悪いかよォ」