第7章 数学教師 不死川実弥
「オラ、入れェ」
扉を開けてくれた先生は上はパーカーを来ていて、下はジーパンといういつもよりもラフな格好に私の心臓は高鳴った。
「せ、先生ってそんな格好するんですね…」
「あ?いつもあの格好してたらワーホリだろうがァ」
失礼します、と言って部屋に入ると、ふわりと甘い香りが漂ってきた。
「ん?なんかすっごい甘い香りしま、むぎゅっ」
「これ以上、それについて喋んなァ…こっち来い」
鼻を先生に摘まれて、そのまま右の部屋へと押し入れられた。
どうやら入った部屋は先生の自室らしく、仕事をする用の机とベッド、中にローテーブルが置かれているだけのシックな部屋だった。
「なに…?先生、私に隠す甘い匂いって…浮気なんですか?」
「なに馬鹿なこと言ってんだァ?ンなもん、そうだったら追い返してるわ」