第6章 時透無一郎
「もういいかな?キスしても」
「いい、んむ」
私の返事を聞き終わる前に無一郎は唇を重ねた。
薄くてちょっと冷たい無一郎の唇は私の唇の体温と合わさって暖かくなっていく、私のわずかな歯の隙間に無一郎の舌が忍び込んできて、私の舌と絡ませてくる。
たまに吸われて、頭がおかしくなりそうだ。
「うん、君は泣き顔よりそっちの方が可愛い」
「うそつけぇ…」
「嘘じゃないよ、僕とのちゅーが気持ちよくてたまらないって顔してる」
無一郎は私の首筋に顔を埋めて、舌先でなぞると、私はゾワゾワとこそばさが足先まで伝わってきた。
「っ…あ…」